京都鉄道博物館Walker ウォーカームック

もともとWalkerシリーズは、単なる読みやすさだけでなく読者を信じてコッテリとした取材をしてくれることで有名なのだが、本書は、まさに読者の中心であろう鉄道ファンはもちろん、旅行ファンや京都ファンを信じてしっかりと取材してくれている。京都鉄道博物館は１日では全て見て回ることができないほど盛りだくさんのコンテンツがあるのだが、個人的には、梅小路蒸気機関車館を残して鉄道博物館を開館した関係者の英断に、心から感謝したい。なにしろＣ６２が今でも現役で動いている。扇型の車庫や転車台から見えるＳＬは鉄道ファンならずとも芸術的価値を体感できるだろう。日本の鉄道史を飾った名車両も埼玉の鉄博に劣らない展示内容だ。個人的にはトワイライトエクスプレスの展示場所をおすすめしたい。名残惜しくも退役したからこそ京都の鉄道博物館で思う存分その美しい姿を眺めなおす時間も楽しみたいものだ。もう一つおすすめしたいのが、京都駅に向かう景色が見えるスカイテラス。京都駅は各駅停車から新幹線まで、多様な車両が通ることで有名だが、スカイテラスからは線路～車両～東寺という絶好のロケーションが楽しめる。上記以外にも、駅弁や食堂車のメニューを食べることができたり、梅小路蒸気機関車館の出入り口だった旧二条駅の建物があったり鉄道ジオラマや鉄道インフラの各種展示物があったり・・・タイトルにも書いたとおり、少なくとも上記内容は間違いなく載っている。書籍として、写真集として、資料集としてぜひとも手に入れていただきたい。