Jazz Guitar Magazine Vol.2 (リットーミュージック・ムック)

創刊号は購入しませんでしたが、第2号となる今号の表紙のケニー・バレルを見てオーダーしました。ケニー・バレルはジャズ・ギタリストの中で1番のお気に入りですので。ちなみにB・Bキングもバレルのファンでした。ブルーノートについての書籍や雑誌特集は数え切れないほど出てますので余り内容については期待はしていませんでした。しかし期待を大きく上回る見事な内容でした。冒頭は現在のシーンの第一線で活動するギタリストのロベン・フォード 、ケヴィン・ユーバンクス 、ラーゲ・ルンド 、マイルス・オカザキについて紹介しています。正直、最近のシーンは殆ど把握してないので参考になりました。ラーゲ・ルンドは気になりましたね、CDを購入しようか思案中です。マイルス・オカザキのセロニアス・モンクに対するリスペクトぶりも好感が持てました。これらのインタビューもブルーノートに関する、それぞれの思いやエピソードについてしっかり書かれてており、雑誌全体を通して特集の軸がブレていないと感じました。特集のメインであるケニー・バレル、グラント・グリーンについては古くからのブルーノート・ファンにとっては目新しさはないかもしれませんが、使用したギター、アンプにまで言及されており、楽譜も多数掲載されていて、ギタープレイヤーの視線から読むと、よくまとまっていると思います。しかしブルーノート・レーベルはギタリストのリーダー・アルバムが本当に少ないですね。レーベルとしての全盛期に当たるカタログNo.1500番シリーズ、4000番シリーズ、4100シリーズを見ても本誌の指摘の通りケニー・バレルとグラント・グリーンだけですね。レーベル・オーナーのアルフレッド・ライオンが「ハード・バップを弾けるギタリストがいなかった。」と言ったのも納得できます。ライオンは彼等の音が好きだったのだと思います。ウェス・モンゴメリーは別格の存在ではありますが、ライオンの求める音には合わなかったのか、単に契約出来なかったのか、接点がなかったのかよく分かりませんが。でもウェスとジャズ・メッセンジャーズとの共演も聴いてみたかったですね。しかしケニー・バレルのブルージーな艶やかなトーンは夜中に聴くのにピッタリですね。他のレーベルと比較してブルーノートでの録音は違いますね。輪郭がくっきりしてるというか、ミャージシャンの個性をよく引き出してますね。録音技師のルディ・ヴァン・ゲルターによるところが大きいのでしょうが。これはアート・プレイキーのドラム、ジミー・スミスのオルガンにも言えます。グラント・グリーンのブルーノート・レーベルでのレコーディングの多さは凄いですね。途中短期間ブランクがあり、他レーベルでの録音もありましたが、亡くなるまでブルーノートで作品を出しました。これは生涯ブルーノートでしかリーダー作品を出さなかったホレス・シルバーに次ぐ功績だと思います。今号は非常に読み応えのある編集であり、価格は少々高めですが、それに十分見合った内容だと思います。次号も期待しています。