性善説に蝕まれた日本 情報に殺されないための戦略

著者はカルフォルニア州弁護士。日米の対比をしながら、日本人の弱点を分析、その弱点を克服するためのアドバイスが本書の主眼。傾聴に値する議論が多い。日本の最大の不幸は「反日日本人」の存在である。その筆頭格が弁護士の戸塚悦郎。「性奴隷(sex slave)」なる言葉をつくって国連で広めた張本人。おかげで国連人権理事会は「反日工作員の社交場」と化した。その害毒ははかりしれない。そして海外に移住した韓国のエリート階級が移住先で反日活動をおこない慰安婦像を建てる。放置すれば日本の評判は下がりっぱなしになる。日本人のやるべきは「反省とお詫び」ではなく心からのメッセージである。それには発信力を高める必要があり、そのための情報機関を作らなければならない。中韓の反日プロパガンダに対抗するために中韓のようにフェイクニュースを流す必要は全くない。日本は事実を公表し続ければよいのである。この本には、左翼のマスコミ、学者、評論家らが使う扇動の手口がいろいろ書いてあって興味深い。レッテル貼り、すり替え、言い換え、混同などが常套手段であるが、中には巧妙な印象操作もある。例えば、池上彰の冠番組。日米の平均所得推移の比較グラフを出し、「日本の貧困層はますます貧しくなっている」と解説したが、米国のデータは2011年まで、日本のデータは2010まで。これでは比較にはならない。2010年はまだ民主党政権時代。民主党時代のデータを出して「アベノミクスで失業率が低下しているというのは錯覚」という印象操作に利用している。こんな手合いの解説に騙されてはならない。